今年の秋は、カレンダーを見ながら歩んでいるのでしょうか。
8月のページがめくられると同時に、すっかり秋めいてきました。
もう海に行かれる方も少なくなったでしょうが、
僕は夏以外の海が好きです。
海に何かを見出す人もいます。
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L'eternité
Elle est retrouvée.
Quoi? - L'Eterniteé.
C'est la mer alleée
Avec le soleil.
「永遠」
もう一度探し出したぞ。
何を? 永遠を。
それは、太陽と番った
海だ。
(アルチュール・ランボー 『永遠』 堀口大學訳)
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永遠は、存在するのか。
どこにあるのだろうか。
別なく、溶け合い、
すべてがひとつになる瞬間。
完全なる調和。
始まりも終わりもない。
時間も空間も。
ゴタールは『気違いピエロ』のラストシーンにこの詩を引用しています。
そしてその背景は溝口健二の『山椒大夫』の
ラストシーンをモチーフにしたショットが使われています。
それにしても溝口健二とランボーをひとつの画面におさめてしまうゴダール。
この人は“独自の世界”ではなく、もはや“確固たる宇宙”を形成しているよう。
永遠。