昨日は舟越桂を見ながら村上春樹の名前が思い浮かんだことを書きましたが、
実は、もうひとり名前の浮かぶ人がいます。
それは川久保玲というひと。
僕が舟越桂の名を知ったのは実はコム・デ・ギャルソン南青山店での展示でした。
そんなこともあったのかもしれませんが、
その二人の名をつなぐものはやはり『異形』ということ。
確か1990年代の後半だったと思いますが、
コム・デ・ギャルソンがいわゆる“こぶドレス”を発表します。
かわいいギンガムチェック柄のタイトなドレスなのですが、
普通のそれと違うのは肩や腰に
まるで“こぶ”のような突起物が入っていること。
冷徹なまでに人間の身体を見据えた結果なのか、
それとも冷酷な予言なのか─。
でもさすが、というか
不思議なのはそのフォルムが、
やっぱり、かっこいい んです。
何かが惹きつける。
舟越桂はだいたい人間の上半身を
カタチにしています。
川久保玲も服という領域で人間の身体を
カタチにしています。
舟越桂、村上春樹、川久保玲。
なにしろ、“思い浮かんだ”だけなので論理的に解明できないのですが、
自分としては、とても頷ける三つの名前なんです。