冥王星の発見者トンバ博士の遺灰をのせた人工衛星「ニューホライズン」は、
9年後の2015年、目的の地、冥王星にたどりつくそうです。
博士はその生涯を閉じて初めて、愛すべき冥王星に抱かれて眠ることができるようです。
でも、歴史上はじめて地球から宇宙空間に行った生命体には
目指すべき星はありませんでした。
1957年、ロシアで打ち上げられた「スプートニク2号」にのせられた犬『ライカ』は
周回軌道にのってから数時間後にその生を閉じました。
「スプートニク2号」は回収計画がなかったため、
おそらく、しばらく軌道を周回した後、ライカともども大気圏に落ちて燃えつきたのでしょう。
ライカの肉体は無くなり、遺灰も残らず、ただ魂だけが今も宇宙を漂っています。
「次の瞬間にはわたしたちはまた絶対の孤独の中にいる。
いつか燃え尽きてゼロになってしまうまでね」
(村上春樹 『スプートニクの恋人』)
私たちは誰もが『ライカ』であり、魂はいつもさまよっているのかもしれません。