このところの記事でジェルソミーナ(ジュリエッタ・マジーナ)のことばかり書いていましたが、
『道』ってザンパノ、イルマット、そしてジェルソミーナの
3人の物語として見ることもできると思います。
この3人に共通して言えるのは、いずれも何かが欠けていること。
何かが欠如しているんじゃないかと思うのです。
それが何よりも、なによりも悲しい。
そして最後にザンパノは、とうとう自分の中の欠如に気づいてしまう。
それも粗暴な行いによって、さらに大切なものを失い続けていたことにも気づいてしまう。
ザンパノは初めて、孤独の存在にうちのめされて、映画が終わります。
欠如。
穴があいてふさがらない。
でも、これはきっと私たち誰にでもあることなのではないでしょうか。
この穴はふさぐことができるのでしょうか。
仮にできないとしても、その存在を知ることは大切かもしれないと、思いました。